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非環状型人工核酸合成
北海道システム・サイエンス株式会社は、名古屋大学 生命分子工学専攻 分子生命化学講座 浅沼研究室と日華化学株式会社との共同研究により、従来の人工核酸を凌駕する非環状型人工核酸 < SNA > や < iL-aTNA > を配合したオリゴヌクレオチドを製造する技術を開発しました。
非環状型人工核酸は、天然核酸の主鎖構造を非環状骨格に改変した人工核酸で、以下のような特長を持ち、核酸医薬開発や高感度蛍光プローブへの応用が期待できます。
■ 特徴
- 天然の DNA や RNAと安定な二重鎖を形成
- 高いヌクレアーゼ耐性
- 従来の核酸医薬に使用されている糖部修飾核酸と同等の毒性
■ 利用例
- siRNA、anti-miRNA oligo (AMO)、antisense oligo (ASO)
- 高感度モレキュラービーコンプローブ
■ オリゴヌクレオチド合成サービス
弊社では、非環状人工核酸 SNA 、iL-aTNA を配合したオリゴヌクレオチドを製造しています。
- 少量~大量合成まで、ご希望のスケールに対応
- 各種修飾(蛍光・化学修飾)の導入も可能
非環状型人工核酸を用いた siRNA
天然核酸の Native siRNA に比べて、SNA および iL-aTNA修飾 siRNA は、高い酵素分解耐性能を持つことが示されました(Fig.1)。
ヒト培養細胞において、Nek2遺伝子に対する siRNA の RNAi 活性を測定した結果、SNA および iL-aTNA 修飾 siRNA は、Native siRNA と同様に標的遺伝子の発現を抑制しました(Fig.2)。
また、SNA および iL-aTNA 修飾 siRNA は、標的の逆鎖配列に対するノックダウン活性が Native siRNA より低く、ストランド特異性を示すことから、オフターゲット抑制能が高いと考えられます(Fig.3)。
非環状型人工核酸を用いた AMO(anti-miRNA oligo)
SNA で構成された AMO(SNA-AMO)は、DNA 、2’-OMe RNA 、LNA で構成された AMO に比べて、高い酵素耐性能を持つことが示されました(Fig.4)。
また、SNA-AMO による miRNA 阻害活性は、2’-OMe RNA-AMO と同程度でしたが、2,6-ジアミノプリン修飾を加えることで著しく活性が向上し、修飾の位置によっては LNA-AMO を凌駕する効果が得られました(Fig.5)。
その他の利用例
- アンチセンス( エクソンスキッピング )
“Antisense oligonucleotide modified with serinol nucleic acid (SNA) induces exon skipping in mdx myotubes”
Le, B. T.; Murayama, K.; Shabanpoor, F.; Asanuma, H.; Veedu, R. N.
RSC Advances, 2017, 7, 34049-34052.052.
- 蛍光プローブ
“Ultra-Sensitive Molecular Beacon Designed with Totally Serinol Nucleic Acid (SNA) for Monitoring mRNA in Cell”
Murayama, K.; Kamiya, Y.; Kashida, H.; Asanuma, H.
ChemBioChem, 2015, 16, 1298-1301.
- 名古屋大学浅沼研究室HPは こちら