受託メタボローム解析

弊社では、ヒューマン・メタボローム・テクノロジーズ株式会社が提供する受託メタボローム解析サービスをご紹介しています。

ヒューマン・メタボローム・テクノロジーズ(HMT)は、革新的なメタボローム解析技術「CE-MS法」を用いてメタボローム解析を行い、医学、機能性食品の開発、醗酵プロセスの最適化などの分野で、皆さまの研究開発を支援しています。

 

メタボローム解析とは

生体内には核酸(DNA)やタンパク質のほかに、糖、有機酸、アミノ酸などの低分子が存在しています。
これらの物質の多くは、酵素などの働きによって作り出された代謝物質(メタボライト)です。

生体内に含まれる代謝物質の総体(すべて)を「メタボローム」と呼び(”metabolite” と ”-ome”からの造語)、その種類や濃度を網羅的に分析する手法のことを「メタボローム解析」あるいは「メタボロミクス」と呼びます。

それゆえ、メタボロミクスにおいては試料中に存在する代謝物質レベルを一斉に、かつ網羅的に測定する技術が鍵となります。
HMTでは革新的な測定技術「CE-MS法」を用いた解析技術を強みとしつつ、複数の測定機器を組み合わせることでお客様の目的に応じた解析を行っていただくことが可能です。

解析プラン-水溶性・イオン性代謝物質の解析

代謝物質の中でも、水に溶けやすく、極性の高い代謝物質の解析を希望される場合は下記プランをお勧めしています。エネルギー代謝に関連する物質をはじめとして、一次代謝を構成する内因性の代謝物質(糖リン酸・アミノ酸・核酸・有機酸・ビタミン・短/中鎖脂肪酸・ジペプチド)など、解析対象として主要代謝物質の多くを網羅しています。

Basic Scan(ベーシックスキャン)

【生体に多く含まれる水溶性・イオン性の代謝物質の網羅測定に最適なプラン】

ベーシックスキャンは、1,000種以上の水溶性・イオン性代謝物質を網羅的に解析するプランです。
糖リン酸・アミノ酸・核酸・有機酸・ビタミン・短/中鎖脂肪酸・ジペプチドなど、解析対象として主要代謝物質の多くを網羅しています。
基本的な代謝変化のモニターやメカニズム解析に最適です。

<解析報告書>
検出されたピークの検出値(標準化面積値)
面積値を用いた群間比較結果
主成分分析(PCA)、階層的クラスタリング解析(HCA)結果のヒートマップ
中心炭素代謝やアミノ酸代謝など、測定結果を代謝経路に描画したパスウェイマップ
<解析条件>
プラン概要 キャピラリー電気泳動(CE)と質量分析計(MS)を組み合わせたCE-MSシステムにより代謝物質の網羅解析(メタボローム解析)を行います。
CEのもつ高い分離能は生体に多く含まれる水溶性・イオン性の代謝物質の測定に最適で、他システムでは分離の難しい代謝物質も検出が可能です。
主な用途 多くの生物種に存在する一次代謝における代謝変化の把握
代謝物質・経路同士の新たなネットワークの探索
解析対象
・約1,000種の水溶性・イオン性代謝物質
・動植物の一次代謝を構成する内因性の代謝物質:糖リン酸・アミノ酸・核酸・有機酸など
オプションとしてジペプチドの網羅的解析(ジペプチドスキャン)が可能です。
対象試料種 概ね全ての種類の生体由来試料
使用装置 CE-TOFMS
価格・納期 お問い合わせください

ω Scan(オメガスキャン)

【網羅性と高感度を兼ね備えた水溶性・イオン性代謝物質解析の最高峰プラン】

オメガスキャンは、1,000種以上の水溶性・イオン性代謝物質を網羅的かつ高感度に解析するプランです。HMTのもつ特許技術を用いたオメガスキャンでは、HMTのスタンダード解析プラン「ベーシックスキャン」と比べて、検出物質数は1.5倍~2倍に増加します。糖リン酸・アミノ酸・核酸・有機酸・ビタミン・短/中鎖脂肪酸・ジペプチドなど、解析対象として一次代謝物質の多くを網羅しています。また、20種類の基本アミノ酸から構成される2残基ペプチド(ジペプチド)334種類をライブラリとして用いるジペプチドスキャンオプションを用いることで、ジペプチドの高感度網羅解析も可能となります。

<解析報告書>
検出されたピークの検出値(標準化面積値)
面積値を用いた群間比較結果
主成分分析(PCA)、階層的クラスタリング解析(HCA)結果のヒートマップ
中心炭素代謝やアミノ酸代謝など、測定結果を代謝経路に描画したパスウェイマップ
<解析条件>
プラン概要 キャピラリー電気泳動(CE)と質量分析計(MS)を組み合わせたCE-MSシステムにより代謝物質の網羅解析(メタボローム解析)を行います。
従来は接続不可能だった高感度のフーリエ変換型質量分析計(FTMS)を特許技術によってCEと接続することで、従来の倍近い数の物質を検出することが可能になりました。
CEのもつ高い分離能は生体に多く含まれる水溶性・イオン性の代謝物質の測定に最適で、他システムでは分離の難しい代謝物質も検出が可能です。
主な用途 多くの生物種に存在する一次代謝における代謝変化の把握
代謝物質・経路同士の新たなネットワークの探索
解析対象
・約1,000種の水溶性・イオン性代謝物質質
・動植物の一次代謝を構成する内因性の代謝物質:糖リン酸・アミノ酸・核酸・有機酸など
オプションとしてジペプチドの網羅的解析(ジペプチドスキャン)が可能です。
対象試料種 概ね全ての種類の生体由来試料
使用装置 CE-FTMS
価格・納期 お問い合わせください

ω Scan Advanced(オメガスキャンアドバンスト)

【未同定ピークも含めて報告する、水溶性・イオン性の代謝物質の高感度ノンターゲット解析プラン】

オメガスキャンアドバンストは、水溶性・イオン性代謝物質について、物質名が報告される代謝物質(1,000種以上)に加えて、物質名が不明なピーク(未同定ピーク)も含めて網羅的かつ高感度に解析するノンターゲット解析プランです。
糖リン酸・アミノ酸・核酸・有機酸・ビタミン・短/中鎖脂肪酸・ジペプチドなど、解析対象として一次代謝物質の多くを網羅する高感度解析「オメガスキャン」に加えて、高感度のCE-FTMSで解析可能なあらゆるピークも合わせて報告する(ノンターゲット解析)、最も網羅性の高いプランです。
未同定ピークは、2-4残基のアミノ酸から構成されるペプチドデータベースや、Human Metabolome Database(HMDB)に記載のある質量電荷数比などに照合され、その結果が報告されます。
既知の代謝物質だけではなく、新規代謝物質を探したい・広範囲に生じる代謝変化を捉えるためのスクリーニングをおこないたい・未知のバイオマーカーを探索したい、といった方にオススメです。

!ノンターゲット解析とは?
測定対象物質が決まっている「ターゲット解析」とは異なり、測定対象物質を定めずに解析を行う手法を「ノンターゲット解析」と呼びます。
HMTでは1,000種を超える測定対象のリスト(アノテーションリスト)を有していますが、このリストに入っていない代謝物質も多く存在します。
通常の解析ではリスト外のピーク(解析の結果出てくる山型の信号を「ピーク」と呼びます)は報告されませんが、オメガスキャンアドバンストではこれらの物質名が不明なピークについてもご報告いたします。
これらのピークは質量電荷数比(m/z)と電気泳動の泳動時間(MT,Migration Time)が判明していることから、m/zをもとに物質の化学式を推定することができる場合があります。
m/zの値をデータベースに照合した結果として、候補物質が提示されることもありますし、データベースには報告のない物質である可能性も考えられます。
創薬分野における新規標的化合物探索や食品機能性成分の広範囲なスクリーニング、更には未知のバイオマーカー探索などを目的とした研究に適しています。

<解析報告書>
未同定物質を含む検出されたピークの検出値(標準化面積値)
面積値を用いた群間比較結果
(既知物質のみ)主成分分析(PCA)、階層的クラスタリング解析(HCV)結果のヒートマップ
(既知物質のみ)中心炭素代謝やアミノ酸代謝など、測定結果を代謝経路に描画したパスウェイマップ
<解析条件>
プラン概要 キャピラリー電気泳動(CE)と質量分析計(MS)を組み合わせたCE-MSシステムにより代謝物質の網羅解析(メタボローム解析)を行います。
従来は接続不可能だった高感度のフーリエ変換型質量分析計(FTMS)を特許技術によってCEと接続することで、従来の倍近い数の物質を検出することが可能になりました。
CEのもつ高い分離能は生体に多く含まれる水溶性・イオン性の代謝物質の測定に最適で、他システムでは分離の難しい代謝物質も検出が可能です。
主な用途 血液などの体液試料を用いたバイオマーカー探索
食品、工業品などの品質評価指標の確立
解析対象
・約1,000種の水溶性・イオン性代謝物質
・動植物の一次代謝を構成する内因性の代謝物質:糖リン酸・アミノ酸・核酸・有機酸など
・上記の既知物質に加え、CE-FTMSによって測定可能な全ての代謝物質
オプションとしてジペプチドの網羅的解析(ジペプチドスキャン)が可能です。
対象試料種 概ね全ての種類の生体由来試料
使用装置 CE-FTMS
価格・納期 お問い合わせください

C-SCOPE(シースコープ)

【中心エネルギー代謝に特化した高感度解析プラン】

シースコープは、中心エネルギー代謝(解糖系、TCA回路、アミノ酸代謝、核酸代謝)に関係する水溶性・イオン性代謝物質を、高感度・高精度で解析するプランです。
糖リン酸やアミノ酸、プリン代謝物など、116種の代謝物質を解析します。
また、追加料金なしで、三点検量による濃度計算を全物質について行います。
生体内や細胞内における代謝の状態を定量的に判断することが可能となるため、代謝物質同士のプールサイズを比較したい・核酸のエネルギーチャージや機能別アミノ酸プール量などの代謝パラメーターを算出したい方にオススメです。

<解析報告書>
分析対象116代謝物質についての試料中濃度
主成分分析(PCA)、階層的クラスタリング解析(HCA)結果のヒートマップ
中心炭素代謝やアミノ酸代謝など、測定結果を代謝経路に描画したパスウェイマップ
各代謝物質濃度から計算された30項目の代謝パラメーター
<解析条件>
プラン概要 キャピラリー電気泳動(CE)と質量分析計(MS)を組み合わせたCE-MSシステムにより代謝物質の網羅解析(メタボローム解析)を行います。
CEのもつ高い分離能は生体に多く含まれる水溶性・イオン性の代謝物質の測定に最適で、他システムでは分離の難しい代謝物質も検出が可能です。
主な用途 エネルギー代謝が注目されるメカニズム解析
長期にわたって安定的な分析が求められる研究
解析対象
・中心エネルギー代謝に含まれる116物質
・解糖系/糖新生、TCA回路、ペントースリン酸経路、脂質代謝、アミノ酸代謝、核酸代謝関連物質など
対象試料種 動物組織(肝臓、筋肉、脳)、培養細胞、動物血液、培地、培養微生物細胞(酵母、大腸菌)
使用装置 CE-QqQMS
CE-TOFMS
価格・納期 お問い合わせください

F-SCOPE(エフスコープ)

【安定同位体ラベルされた代謝物質を測定する解析プラン】

エフスコープは、13Cなどの安定同位体でラベルされた代謝物質を解析する世界的にも珍しいプランです。糖リン酸やアミノ酸、プリン代謝物など、中心炭素代謝に関係する54種の水溶性・イオン性代謝物質を解析します。13Cなどでラベルされた代謝物質分子は通常分子と異なる質量電荷化をもつため、質量分析計による区別が可能となり、その解析結果から代謝経路ごとの活性の増減やその反応方向、代謝物質が細胞内でどのように利用されているのかが明らかになります。

<解析報告書>
検出されたピークおよび各代謝物質総和(アイソトポマーの合計)の相対面積値
面積値を用いた群間比較結果
各代謝物質総和の試料中濃度
<解析条件>
プラン概要 13Cなどの安定同位体標識された代謝物質(グルコースなど)を試料に取り込ませた上で、標識された原子がどのような物質に含まれるかを解析いたします。
添加したラベル体がどのような代謝物質に、どういった経路で代謝されているのかを明らかにすることが可能です。
(試料に添加する安定同位体標識された代謝物質の購入と試料への取り込みはお客様にお願いしています)
主な用途 エネルギー代謝におけるラベル解析
解析対象
・解糖系/糖新生、TCAサイクル、ペントースリン酸経路などの30代謝物質
・またはそれらにアミノ酸など24代謝物質を加えた計54代謝物質
対象試料種 動物培養細胞・微生物培養細胞・培地・動物組織など
使用装置 CE-TOFMS
ラベル 13C(その他のラベル体についてはお問い合わせください)
価格・納期 お問い合わせください

解析プラン-脂溶性・中性代謝物質の解析

代謝物質の中でも、油に溶けやすく、極性の低い代謝物質の解析を希望される場合は下記プランをお勧めしています。脂肪酸胆汁酸ポリフェノール類リン脂質など、脂溶性・中性の代謝物質を網羅的に解析します。

LC-Basic Scan(エルシーベーシックスキャン)

【機能性関与成分を含めた脂溶性・中性の代謝物質の網羅測定に最適なプラン】

エルシーベーシックスキャンは、300種以上の脂溶性・中性代謝物質を網羅的に解析するプランです。
脂肪酸・アシルカルニチン・胆汁酸・ステロイド誘導体など、解析対象として様々な物質を網羅しており、これらの物質が関与する代謝変化のモニターやメカニズム解析に最適です。

<解析報告書>
検出されたピークの検出値(標準化面積値)
面積値を用いた群間比較結果
主成分分析(PCA)、階層的クラスタリング解析(HCA)結果のヒートマップ
<解析条件>
プラン概要 液体クロマトグラフィー(LC)と質量分析計(MS)を組み合わせたLC-MSシステムにより代謝物質の網羅解析(メタボローム解析)を行います。
脂溶性・中性の代謝物質の分析に強みをもつLCを用いた測定を行うことで、機能性成分をはじめとした多様な物質を検出することが可能です。
主な用途 代謝物質・経路同士の新たなネットワークの探索
機能性関与成分などの探索
解析対象
・約300種の脂溶性・中性代謝物質
・脂肪酸・アシルカルニチン・胆汁酸・ステロイド誘導体など
対象試料種 概ね全ての種類の生体由来試料
使用装置 LC-TOFMS
価格・納期 お問い合わせください

LC-ω Scan(エルシーオメガスキャン)

【網羅性と高感度を兼ね備えた脂溶性・中性代謝物質解析の最高峰プラン】

エルシーオメガスキャンは、450種以上の脂溶性・中性代謝物質を高感度に解析するプランです。 エルシーオメガスキャンでは、HMTの脂溶性・中性代謝物を網羅的に解析するプラン「エルシーベーシックスキャン」と比べて、検出物質数は1.5倍~2倍に増加します。
脂肪酸・アシルカルニチン・胆汁酸・ステロイド誘導体など、解析対象として様々な物質を網羅しており、これらの物質が関与する代謝変化のモニターやメカニズム解析に最適です。 また、ポリフェノールなど機能性が知られている成分も測定対象に多数含んでおり、自社製品の強みとなる機能性成分含有の検証や他社製品との差別化ポイントの明確化にもご利用いただけます。

<解析報告書>
検出されたピークの検出値(標準化面積値)
面積値を用いた群間比較結果
主成分分析(PCA)、階層的クラスタリング解析(HCA)結果のヒートマップ
<解析条件>
プラン概要 液体クロマトグラフィー(LC)と質量分析計(MS)を組み合わせたLC-MSシステムにより代謝物質の網羅解析(メタボローム解析)を行います。
高感度のフーリエ変換型質量分析計(FTMS)を用いることで、従来より多くの物質を検出することが可能になりました。脂溶性・中性の代謝物質の分析に強みをもつLCを用いた測定を行うことで、機能性成分をはじめとした多様な物質を検出することが可能です。
主な用途 代謝物質・経路同士の新たなネットワークの探索
素材や製品中に含まれる機能性関与成分のスクリーニング
機能性関与成分などの作用機序の解明
解析対象
・約450種の脂溶性・中性代謝物質
・脂肪酸・アシルカルニチン・胆汁酸・ステロイド誘導体など
・機能性が知られている物質:ポリフェノールなど
対象試料種 概ね全ての種類の生体由来試料
使用装置 LC-FTMS
価格・納期 お問い合わせください

Mediator Scan(メディエータースキャン)

【脂質メディエーターに特化した高感度解析プラン】

メディエータースキャンは、いわゆる”脂質メディエーター”の代表的な物質群である、オキシリピン類、リゾリン脂質類、ステロイド類を含む、計400種の脂溶性代謝物を網羅的に解析するプランです。

”脂質メディエーター”は、非常に多様な生理機能に関わることから、免疫や炎症に関連する病気(喘息、じんましん、リウマチ、多発性硬化症、肺線維症、炎症性腸疾患、アトピー、食物アレルギーなど)のほか、生活習慣病(糖尿病や動脈硬化など)、がん、認知症といった様々な疾患の病態解明やバイオマーカー探索の目的に最適です。
また、プラン単体での解析実施だけではなく、アドバンストスキャンやベーシックスキャンなど、水溶性・イオン性代謝物質のメタボローム受託解析プランと組み合わせることで、高感度かつ高い網羅性の解析を行うことができます。

<解析報告書>
検出されたピークの検出値(標準化面積値)
主成分分析(PCA)、階層的クラスタリング解析(HCA)結果のヒートマップ
オキシリピン類、ステロイド類など、測定結果を代謝経路に描画したパスウェイマップ
<解析条件>
プラン概要 メディエータースキャンは、いわゆる“脂質メディエーター”の代表的な物質群であるオキシリピン類、リゾリン脂質類、ステロイド類を含む、計400種の脂溶性代謝物を網羅的に解析するサービスです。
“脂質メディエーター”は、非常に多様な生理機能に関わることから、メディエータースキャンは、免疫や炎症に関連する喘息、じんましん、リウマチ、多発性硬化症、肺線維症、炎症性腸疾患、アトピー、食物アレルギーの他、糖尿病や動脈硬化などの生活習慣病に加え、がんや認知症など、様々な疾患の病態解明やバイオマーカー探索の目的に最適なプランです。
アドバンストスキャンやベーシックスキャンなど、HMTの他の受託分析サービスと組み合わせることで、さらに解析網羅性を高めることも可能です。
解析対象
・第1世代脂質メディエーター:エイコサノイド(ω6脂肪酸代謝物(プロスタグランジン、トロンボキサン、ロイコトリエン))
・第2世代脂質メディエーター:リゾリン脂質(LPA、LPC、LPE、LPG、LPI、LPS)
・第3世代脂質メディエーター:EPA/DHA代謝物(ω3脂肪酸代謝物(リポキシン、レゾルビン、プロテクチン))
・その他脂質メディエーター:血小板活性化因子(PAF)、内因性カンナビノイド、 スフィンゴシン-1-リン酸、ガングリオシド、セラミド
対象試料種 血液(血漿*1・血清)、培地・培養上清、尿*2

*1 抗凝固剤は、EDTA・2Na、EDTA・2Kおよび クエン酸ナトリウム に対応しています。
*2 尿検体における検出物質数は血液・培養上清等と比べると少なくなることが想定されますのでご注意ください。
使用装置 LC-MS/MS
価格・納期 お問い合わせください

リピドーム解析

【様々な脂質の測定が可能なリピドーム解析】

リピドーム解析とは
生体内に存在する脂質(Lipid)の総体のことをリピドーム(Lipidome)と呼び、それらを解析する学問分野・技術をリピドミクス・リピドーム解析と呼びます。
私たちの身体や生活には多くの油脂が使われています。例えば、ヒトを構成する細胞の膜は脂でできています。この脂(生体膜)は細胞内で生成されますが、その基となる成分のほとんどは栄養素として食事から摂取されています。つまり、良質な脂をとることが質の高い生体膜、さらには健康な身体を作ることにつながることがわかっています。
また、脂質が生命を維持するうえで欠かすことのできない必須の生体分子であることから、これらを補うサプリメントや薬の標的、健康指標など広く実用化されています。
しかし、脂質は数十万種と推定される数にもあるように、その機能の全容は明らかにされていません。これは、脂質が水に溶けにくく、化学構造も多様であるがためです。

株式会社リピドームラボでは、独自の質量分析技術を開発・確立することで、リピドームを網羅的に探索し特異的に評価することを可能にしています。
豊富な経験と知識からお客様の研究目的に応じた解析方法を提案させていただきます。

特に下記のような、脂質の関連する幅広い研究領域にて応用していただくことが可能です。

基質・リガンド探索や分子動態解析を目的とした基礎研究分野
病態解明や診断マーカー・創薬を目的とした医療分野
サプリメント開発や品質評価を目的とした食品分野
皮膚セラミド評価による化粧品開発を目的とした美容・化粧品分野
その他(スポーツ科学やバイオ燃料など)

解析プラン-水溶性・脂溶性、両方の代謝物質の解析

水に溶けやすい代謝物質と油に溶けやすい代謝物質、どちらも網羅的に解析を希望される場合は、複数のメソッドを組み合わせた下記プランをお勧めしています。エネルギー代謝に関連する物質をはじめとして、一次代謝を構成する内因性の代謝物質(糖リン酸・アミノ酸・核酸・有機酸・ビタミン・短/中鎖脂肪酸・ジペプチド)のほか、脂肪酸胆汁酸ポリフェノール類など、様々な代謝物質を網羅的に解析します。

Dual Scan(デュアルスキャン)

【水溶性・イオン性に加え、脂溶性・中性の代謝物質も測定する最も網羅性の高い解析プラン】

デュアルスキャンは、1,000種以上の水溶性・イオン性代謝物質と、300種以上の脂溶性・中性代謝物質をあわせた、合計1,300種以上の代謝物質を網羅的に解析するプランです。
糖リン酸・アミノ酸・核酸・有機酸・ビタミン・短/中鎖脂肪酸・ジペプチドや、脂肪酸・アシルカルニチン・胆汁酸・ステロイド誘導体など、多くの代謝物質を網羅しており、幅広い物質のメタボローム解析を行いたい方に最もオススメです。

<解析報告書>
検出されたピークの検出値(標準化面積値)
面積値を用いた群間比較結果
主成分分析(PCA)、階層的クラスタリング解析(HCA)結果のヒートマップ
中心炭素代謝やアミノ酸代謝など、測定結果を代謝経路に描画したパスウェイマップ
<解析条件>
プラン概要 キャピラリー電気泳動(CE)と質量分析計(MS)を組み合わせたCE-MSシステムと、液体クロマトグラフィー(LC)とMSを組み合わせたLC-MSシステムを併用し、様々な物性をもつ代謝物質の網羅解析(メタボローム解析)を行います。
水溶性・イオン性の代謝物質の分離を得意とするCEと、脂溶性・中性の代謝物質の分析に強みをもつLCを併用することで、多くの代謝物質を検出することが可能です。
主な用途 多くの生物種に存在する一次代謝における代謝変化の把握
代謝物質・経路同士の新たなネットワークの探索
解析対象
・約1,000種の水溶性・イオン性代謝物質と、約300種の脂溶性・中性代謝物質
・動植物の一次代謝を構成する内因性の代謝物質:糖リン酸・アミノ酸・核酸・有機酸など
対象試料種 概ね全ての種類の生体由来試料
使用装置 CE-TOFMS
LC-TOFMS
価格・納期 お問い合わせください

オプション

4タイプ5つのオプションをご用意しています。

タイプ1:解析物質を拡張するオプション

ジペプチドスキャン
解析結果から、HMTのジペプチドデータベース*1に近似するm/z、MTのピークが検出された場合に、候補ペプチドの名前を報告します。

*1  20種類の基本アミノ酸から構成される2残基ペプチドに関するm/z、MTの情報が収載されているライブラリ
対象プラン:ベーシックスキャン、オメガスキャン、オメガスキャンアドバンスト、デュアルスキャン

タイプ2:定量を行うオプション

ターゲット濃度計算(110物質定量)
HMTのCE-TOFMSまたはCE-FTMSによる測定で検出されたピークのうち、解糖系/糖新生、TCAサイクル、ペントースリン酸経路、脂質代謝、アミノ酸代謝、核酸代謝などに関わる110の代謝物質について、該当代謝物質の試料中濃度を1点検量により算出し、報告します。

※ 試料中濃度が検出限界以下であった場合は報告されません。
対象プラン:ベーシックスキャン、オメガスキャン、オメガスキャンアドバンスト、デュアルスキャン

 

ターゲット濃度計算(353物質定量)
HMTのCE-TOFMSまたはCE-FTMSによる測定で検出されたピークのうち、解糖系/糖新生、TCAサイクル、ペントースリン酸経路、脂質代謝、アミノ酸代謝、核酸代謝などに関わる分子を含む353の代謝物質について、該当代謝物質の試料中濃度を1点検量により算出し、報告します。

※ 試料中濃度が検出限界以下であった場合は報告されません。
対象プラン:ベーシックスキャン、オメガスキャン、オメガスキャンアドバンスト、デュアルスキャン

タイプ3:新たなコンテンツを追加作成するオプション

追加レポート(追加報告書作成)
HMTで測定したデータに対し、追加でお客様ご指定の1パターンにて以下を実施します。

群間比較
統計解析
パスウェイマップ作成
※ PCAおよびHCAは解析手法の性質上、3検体以上の試験に対してのみ実施いたします。
※ 2パターン以上の解析をご希望の場合、ご希望パターン分のご注文をお願いいたします。

タイプ4:メタボローム解析結果に統計解析を追加するオプション

追加統計解析
メタボローム解析結果データに対して、PLS(Partial Least Squares,部分最小二乗法)解析を用いた追加解析や代謝物質量比の計算、ボルケーノプロットの作図、箱ひげ図の作成などを行い、医学的、生物学的な解釈をサポートします。
HMTで取得したデータのみならず、ご自身や他機関で取得されたメタボロームデータについても統計解析を行うことが可能です。

※ 原則として、反復のないデータ(n=1)の比較解析はお取り扱いいたしかねます。
※ 解析手法の性質上、原則として、3検体以上の試験に限ります。
※ HMTの納品物にはウェルチのt検定のほか、PCA(Principal Component Analysis, 主成分分析)
  やHCA(Hierarchical Cluster Analysis, 階層的クラスタリング解析)が標準で付属します。
  本オプションは更に統計解析を追加するオプションとなります。

PLS(部分最小二乗法)
PLSは、メタボロームデータの解析に汎用的に用いられる、試験群の分類情報を考慮した次元縮約を伴う多変量解析の一種です。試験群の分類情報を考慮しない主成分分析(PCA)では群間差が不明瞭の場合に有効で因子負荷量から各軸に相関の高い物質群を簡便に抽出できます。

ボルケーノプロット
ボルケーノプロットは、それぞれの代謝物質について試験群間の比をlog2変換し横軸に、t検定結果のp値をlog10変換し縦軸に示した散布図です。群間比較で顕著にかつ統計学的有意に高値または低値の代謝物質群をひと目で把握できます。

箱ひげ図
特に臨床検体のデータなどに関しては、各群の平均と標準偏差だけを示した棒グラフよりも、データの分布がひと目でわかる箱ひげ図(BOX plot)が重宝されます。納品されるExcelファイルには、Excelベースで作成された各物質の箱ひげ図が描画されており、フォントや色など自在に改変可能です。論文投稿やスライドの作成に非常に便利です。

ご依頼方法・お問い合わせ

ご依頼方法
ご依頼方法およびサービスの流れ等の詳細はHMT社ウェブサイトをご参照ください。

お問い合わせ
製品・サービスのお問い合わせは、HMT社ウェブサイトにございます下記お問い合わせフォームよりお願いいたします。

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