バクテリア薬剤耐性遺伝子検索

公衆衛生および医療分野において、抗生物質に耐性を示す病原菌の蔓延は重大な問題です。病原菌のゲノム上にどのような薬剤耐性遺伝子が存在しているかを調べることは、薬剤耐性菌のモニタリングや、感染症治療法の選択において重要な情報となります。

また、プロバイオティクス分野において、飼料や食品に添加する生菌剤についても、薬剤耐性遺伝子の確認が求められるようになってきています。人や家畜の生体内に薬剤耐性遺伝子を有するバクテリアが蓄積することで、その遺伝子が病原菌へ伝播する恐れがあるためです。

本サービスでは、ご指定のバクテリアゲノムを対象として、さまざまな薬剤耐性遺伝子を検索します。有用菌・病原菌、いずれでもご利用いただけます。

既にゲノム配列をお持ちの場合は、ゲノム配列データ(FASTA形式)をご提供ください。
ゲノム配列の決定がお済みでない場合は、NGSによるゲノム配列決定を含めた解析パッケージ(微生物ゲノム配列決定)もご利用いただけます

こんな目的に

  • 生菌剤の登録申請に必要な情報として
  • 病原菌の調査事業の一環として
  • バクテリアの特性を示すデータとして

 

使用データベース

主に3種類の薬剤耐性遺伝子データベース(NCBI、ARG-ANNOT、ResFinder)を参照した相同配列検索を行います。これらのデータベースは、欧州食品安全機関のガイドラインで紹介されているものであり(下記文献1参照)、現在報告されている網羅的な薬剤耐性遺伝子に対する検索結果が得られます。

(文献1)
EFSA Panel on Additives and Products or Substances used in Animal Feed (FEEDAP), et al.”Guidance on the characterisation of microorganisms used as feed additives or as production organisms.”
EFSA Journal 16.3 (2018): e05206.

 

検出できる薬剤耐性一覧

アミカシン セフォキシチン フルオロキノロン ミノサイクリン リファンピシン チオストレプトン
アミノグリコシド
セフタジジム
ホスホマイシン
ムピロシン
リファマイシン
チカルシリン
アモキシシリン
セフトリアキソン
フシジン酸
ナリジクス酸
スペクチノマイシン
チゲサイクリン
アンピシリン
セファロスポリン
ゲンタマイシン
ニトロイミダゾール
スピラマイシン
トブラマイシン
アビラマイシン
セファロチン
ハイグロマイシン
オレアンドマイシン
ストレプトグラミン
トリメトプリム
アジスロマイシン
クロラムフェニコール
イミペネム
オキサゾリジノン
ストレプトマイシン
タイロシン
アズトレオナム
シプロフロキサシン
カナマイシン
ペニシリン
ストレプトトリシン
バンコマイシン
β-ラクタム
クリンダマイシン
カスガマイシン
フェニコール
スルファメトキサゾール
バイオマイシン
ブレオマイシン
コリスチン
リンコマイシン
ピペラシリン
スルホンアミド
バージニアマイシン
カルバペネム
ダルホプリスチン
リンコサミド
プレウロムチリン
テイコプラニン
ゾルバマイシン
カルボマイシン
ドキシサイクリン
リネゾリド
プリスチナマイシンIA
テリスロマイシン
セフェピム
エルタペネム
マクロライド
プリスチナマイシンIIA
テモシリン
セフィキシム
エリスロマイシン
メロペネム
キノロン
テトラセノマイシン
セフォタキシム
フロルフェニコール
メチシリン
キヌプリスチン
テトラサイクリン

 

ご提供いただくもの

  • 既にゲノム配列が決定されている場合 ⇒ ゲノム配列データ(FASTA形式)
  • ゲノム配列が決定されていない場合  ⇒ 抽出済みゲノムDNA
※ ゲノム配列決定の詳細は、こちらからご確認ください。

 

納品データ例

position strand gene identity(%) resistance
 chromosome1:38381-39151 ant(4′)-Ia 99.87 KANAMYCIN/TOBRAMYCIN
 chromosome1:39368-39772 bleO 100 BLEOMYCIN
 chromosome1:44969-46975 mecA 100 METHICILLIN
 chromosome1:47075-48049 mecR1 100 METHICILLIN
 chromosome1:126289-127641 tet(38) 100 TETRACYCLINE
 chromosome1:2479070-2479489 fosB-Saur 99.76 FOSFOMYCIN

 

注意事項

本解析の結果、薬剤耐性遺伝子が検出されなかった場合、上記「使用データベース」(NCBI、ARG-ANNOT、ResFinder)内の登録遺伝子配列に対して閾値以上の相同性を持つ遺伝子が無いという事が示されます。
その菌が薬剤耐性を有さないことを証明するものではございませんので、予めご了承いただけますようお願いいたします。

また、前記「使用データベース」の他に、特定の薬剤耐性遺伝子の有無に着目されている場合は、該当の遺伝子配列をご提供いただけましたら、データベースに加えた検索も実施可能です。
ご希望がございましたら、お気軽にご相談ください。

※ 該当菌種あるいは近縁種で配列が既知の遺伝子が対象となります。
  また、遺伝子名ではなく遺伝子配列(塩基配列またはアミノ酸配列)をご提供ください。

 

お問い合わせ

「菌種名」、「検体数」、「お手持ちのゲノム配列データをご使用 or ゲノム配列決定からご依頼」についてお知らせください。

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